世界初、光パケット・光パス統合ネットワーク基盤技術を実証

低消費電力で、通信の効率的利用と品質確保を両立

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2010年6月16日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、2020年以降の新世代ネットワークの実現に向けて、光パケット・光パス統合ネットワークの動作実証に世界で初めて成功しました。本技術は、光パケット交換と光パス交換を統一的な制御のもとに使い分けを可能とするものです。将来、ユーザはその時々の利用シーンに合わせて、高速で安価なサービスと、遅延やデータ損失のない高品質なサービスを柔軟に選択できるようになります。また、ネットワークを無駄なく効率的に運用することが可能となり、ネットワーク全体の消費電力削減にも貢献します。

背景

近年、情報量の飛躍的な増大に応えるため光ファイバ網の整備が進められていますが、更なる高速大容量化と低消費電力化を実現するため、光ファイバ間を結ぶノードにおける交換方式を電気処理から光処理へ転換するオール光化が重要な課題となっています。光交換方式のうち光パス交換方式は一部実用化が始まっていますが、光パケット交換方式は高度な技術を要するため、NICTを中心に先端的な研究を進めています。

今回の成果

NICTは新世代ネットワークの構成技術として、ユーザの利用シーンに応じ光パケットと光パスの両交換方式の長所を使い分け、通信の効率的利用の追求と品質の確保という相反する要求を両立させる「光パケット・光パス統合ネットワーク」の有効性を提唱しています(図1)。今回、両交換方式の統一的な制御部分を新たに実装し、世界で初めて本格的な光パケット・光パス統合ネットワークを構成するノードプロトタイプを開発しました(図2)

本ノードは、光交換方式により既存の交換方式と比較して極めて高速処理が可能です。また、統一制御機能の制御メッセージを利用して光パスの設定或いは解放や、光パケット・光パス各交換方式に割り当てる伝送容量を柔軟に変更出来る特徴があります。更に、制御メッセージを光パケット交換方式で送受することにより、従来の光パスネットワークで必要な制御用の別ネットワークが不要となり、設備を簡素化し、消費電力を削減します。

今後の展望

今後、光パケット交換部の高機能化、パケット・パス両交換部の共通化、制御システムの高機能化等のハードウェア及びソフトウェア両面の研究開発を進め、高速大容量化かつ高品質ネットワークを低消費電力で実現する光パケット・光パス統合ネットワークの実用化を目指していきます。なお、本成果は2010年6月23日(水)にNICT本部で開催する第4回新世代ネットワークワークショップにて発表及び展示(図3)を予定しています。

図3 光パケット・光パス統合ネットワーク デモンストレーション概略図
図3 光パケット・光パス統合ネットワーク デモンストレーション概略図

主に、下記のデモンストレーションを行います。


  1. 光パケット交換方式による回線共有 80Gbps超(最大1.28Tbps)で光パケットを振分けます。 複数ユーザでも超高速ファイル転送を行います。
     
  2. 光パス交換による高品質伝送 【1】の光パケット伝送中に超高精細非圧縮映像の伝送が可能な帯域を光パス用に確保します。 光パス上で超高精細非圧縮リアルタイム映像伝送を行います。
     
  3. 光パケット交換方式から光パス交換方式へ動的変更 ファイル転送を行っていたユーザが、画面から高品質映像伝送を要求します。 ユーザのアプリケーションが、映像伝送のための光パスを自動で設定します。 光パス用帯域の空きが無い場合でも、光パケット用の帯域を光パス用に変更し、光パスを設定しますので、ユーザは安定した品質で映像を視聴する事が可能です。
     
80Gbps超(最大1.28Tbps)とは
           
・bps(bit per second)
1秒間に伝送するデータ量(ビット数)。伝送速度の指標です。

・80G(ギガ)bps
毎秒800億ビットの伝送。一般的なFTTHサービス(100Mbps)の800倍の速度。
大都市間を結ぶ幹線では10Gbpsや40Gbps単位で伝送されています。

・1.28T(テラ)bps
毎秒1兆2800億ビットの伝送。
光パケット交換方式における現在の世界記録です。
我が国全体で1秒間にインターネットを流れる情報量に匹敵します。

<本件に関する 問い合わせ先>
新世代ネットワーク研究センター超高速フォトニックネットワークグループ
和田 尚也

Tel:042-327-6371
E-mail:

新世代ネットワーク研究センターネットワークアーキテクチャグループ
原井 洋明

Tel:042-327-5418
E-mail:

<取材依頼及び広報 問い合わせ先>
総合企画部広報室
報道担当 廣田 幸子

Tel:042-327-6923
Fax:042-327-7587
E-mail: